何よりもショートパスを繋ぎながら、
ポゼッションを高めながら、
個々が連携しながら攻撃する
「日本らしいサッカー」を体現しているところが、
国内で絶賛されています。
これはこれで素晴らしいのですが、
なんだか「日本らしいサッカー」が定着してきたような感じさえします。
そんな中で読んだ本です。
本田にパスの36%を集中せよ―ザックJAPANvs.岡田ジャパンのデータ解析 (文春新書) | |
森本 美行 文藝春秋 2011-06 売り上げランキング : 4504 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
サッカーの試合のデータベースを作っている会社「データスタジアム社」の元社長が、
昨年の南アフリカワールドカップを中心に日本代表の試合を分析した本です。
予想以上の活躍をした日本代表ですが、
ワタシがショックを受けた事実が2つありました。
○パス成功率 出場32か国中32位
U17や「なでしこ」のサッカーとは全く異なるような結果です。
トップはスペインの80%、日本代表は60%です。
ショートパス(15m未満)、ミドルパス(15~30m)、ロングパス(30m以上)など、
どのパスの長さにおいても、日本のパス成功率は全てビリです。
○1試合あたりのクリア数→32か国中1位
32カ国中トップなのはなんと「クリア数」
1試合あたり38.31本です。
最もクリアしない国はドイツで18.75本ですから、約半分です。
日本代表の1試合当たりのパスの本数は285本ですから、
7本に1本はクリアということです(涙)
これもジュニア世代からの「練習の成果」でしょうか(笑)
明らかに安易なクリアが多すぎですね。
こうやって2つのデータを見るだけで、
日本代表がどんなサッカーをしていたかがわかります。
データをみることで気づかされることもあります。
例えば「昨年のJリーグで瞬間最速で走った選手」というのがあります。
いろんな快速選手がいる中でのトップは、
意外にもアントラーズの小笠原選手。
そのスピードは35.1km。
そんなに速くはないのですが、
「ここ一番!」という時に一気にスピードを上げてるんでしょうね。
このデータスタジアム社、
日本代表でも試合分析や相手チーム分析にも使われていますし、
Jリーグでも選手の評価などに使われているそうです。
1試合で2000~2500種類のデータを8時間かけて入力するという
膨大なデータベースです。
クラブだけが使うのではなく、
TV番組などが上手に使いながら、
サッカーをより深く分析してほしいなぁ~と思うのでした。
「本田にパスの36%を集中せよ」という題名が、
あまりにイケてなく、膨大なサッカー本に埋もれそうな感じですが、
サッカーオタクな方には是非オススメな良書でした。
ご一読を!
仁川SC4年生の試合も分析してほしいコーチより。
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